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Troubleshooting CASE:08
労働災害が起きた場合

労働災害が起きた場合

業務中に事故が起きてしまうなど、労働災害が発生した場合、企業側には様々な法的責任が生じることになります。

そして、労働災害への初動対応を誤れば、取り返しのつかないリスクが生じかねません。

本稿では、労働災害が起きた場合に企業が留意すべき5つのポイントを解説します。


【相談事例】

当社の従業員が溶接作業中に、燃料が入った容器が爆発してしまい、作業を担当していた従業員が亡くなるという痛ましい事故が起きてしまいました。

当社としては、亡くなった故人のためにできる限りのことはしたいと思いますが、どこまで責任を負うことになるのかわからず、不安に思う面もあります。

当社としては、何をすべきなのでしょうか。


【企業側が留意すべきポイント】

企業側としては、労災保険で対応することが第一となりますが、安全配慮義務違反があると判断された場合には、民事責任(損害賠償責任)のほか、刑事責任や行政責任を負う可能性があります。


1 労災事故が起きた場合の企業側の法的責任

企業は、労働者を使用することによって利益を得ている以上、労働者の生命・身体の安全・衛生について十分な配慮をしなければなりません。

企業側(使用者側)が、労働者の生命・身体の安全・衛生に関して義務を負っていることを明文化した法律として、労働安全衛生法があります。

企業側には、労働者の生命・身体の安全・衛生を確保すべき法的義務があることから、労働者が労災事故によって受傷したり死亡したりした場合、企業側は、民事責任、刑事責任または行政上の責任を負うことになります。


2 企業側の民事責任

企業側は、雇用契約に伴い、信義則上、労働者の生命・身体の安全・衛生を配慮する安全配慮義務も負担すると解されており、労災事故が起きた場合には、労働者に対する安全配慮義務違反という債務不履行責任が問われることになります。

そして、企業側は、安全配慮義務違反による債務不履行責任に基づく損害賠償責任を負担することとなります。


3 企業側の労災補償責任

労働基準法は、労働者保護の見地から、労働災害があった場合に、企業側は労働者に対して労災補償責任を負わなければならないと規定しています。


4 企業側の刑事責任

労災事故が起きた場合、企業側は、業務上過失致死傷罪や、労働基準法違反や労働安全衛生法違反に問われ、刑事責任を負わなければならない場合があります。


5 企業側の行政責任

労災事故が起きた場合、企業側は、行政指導や行政処分等、行政責任を負わなければならない場合があります。

労働者が労基署に提出する労災保険給付等の請求書において、[1]負傷又は発病の年月日、[2]災害の原因及び発生状況等の証明をし、事業者自らも労働者死傷病報告を労働基準監督署長に提出する。


解説

1 労災保険給付等の請求書の証明

労働者が労働災害により負傷した場合等には、労働者等が休業補償給付等の労災保険給付の請求(労災保険法12条の8第2項)を労働基準監督署長に対して行うことになりますが、その際、事業主は、労災保険給付等の請求書において、[1]負傷又は発病の年月日、[2]災害の原因及び発生状況等の証明をしなくてはなりません(労災保険法施行規則12条の2第2項等)。


ここで言う事業主とは、労働者の雇主を指すのが原則ですが、建設業については元請人であるとされています(労働保険の保険料の徴収等に関する法律8条、同施行規則7条)。したがいまして、ご質問のケースでは貴社が事業主として証明することになります。


2 労働者死傷病報告の提出

事業者は、労働災害により労働者が死傷した場合には、労働者死傷病報告を労働基準監督署長に対して提出しなければなりません(労働基準法施行規則第57条、労働安全衛生規則第97条)。


休業4日以上の場合には遅滞なく提出し、休業4日未満の場合には3か月ごとに提出しなければなりません(労働基準法施行規則57条2項、労働者安全衛生法規則97条2項)。


労働者死傷病報告を提出すべき場合は、下記1~2の場合です。


  1. 労働者が労働災害により、負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき
  2. 労働者が就業中に負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき
  3. 労働者が事業場内又はその附属建設物内で負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき
  4. 労働者が事業の附属寄宿舎内で負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき

ここで言う事業者は、事業を行う者で労働者を使用するものを言い(労働安全衛生法2条3号)、労働者の雇主自体を指します。したがいまして、ご質問のケースでは貴社の下請会社が事業者として報告することになります。


労働者死傷病報告は、労働災害統計の作成などに活用されており、提出された労働者死傷病報告をもとに労働災害の原因の分析が行われ、同種労働災害の再発を防止するための対策の検討に生かされるなど、労働安全衛生行政の推進に役立てられています。


3 労災かくしは犯罪です

故意に労働者死傷病報告を提出しなかったり、虚偽の内容を記載した労働者死傷病報告を所轄労働基準監督署長に提出すると、いわゆる労災かくしとして、処罰を含めた厳正な処分がなされますので注意して下さい(労働安全衛生法第100条に違反し又は同法第120条第5号)。


ご質問のケースでは、実際に報告義務を負っている下請会社の者のほか、雇主である下請会社自体も処罰されることがあります(労働安全衛生法122条。いわゆる両罰規定)。


さらに、元請会社である貴社の担当者も、労災かくしを黙認していた場合には共犯として扱われることもあるので、下請会社の動向には注意を払って下さい。

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