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Troubleshooting CASE:02
不当解雇・退職強要を主張された場合

不当解雇・退職強要を主張された場合

外国人労働者の雇用に関連する規制は、入管法だけでなく、労働基準法、労働安全衛生法をはじめとした各種労働法、社会保険法や租税法等、多岐にわたります。

このように、外国人労働者の雇用を巡る法規制が複雑かつ多岐にわたっていることから、日本を代表する上場企業であっても、コンプライアンス違反を犯してしまう実情があります。


中でもご注意いただきたいことは、外国人労働者の労務管理を巡るトラブルは、日常的に発生する可能性が高い上、そのリスクは入管法等違反にも発展するおそれもあります。


外国人労働者を巡る労務トラブルは、初動対応を誤れば、取り返しのつかないリスクが生じかねません。

本稿では、外国人労働者から不当解雇・退職強要を主張された場合に企業が留意すべき5つのポイントを解説します。


【相談事例】

当社は、建設関係の会社になります。

建設関係の仕事はどうしても人手が不足しがちなために、外国人労働者の方に頼るようになっています。


今回新たに採用した外国人労働者Aは、性格に問題があり、他の従業員とトラブルを頻繁に起こしていました。

ついに他の従業員から、「Aを辞めさせてくれないのならば自分たちが辞める。」という声まで上がってきてしまいました。


当社としても、他の従業員が複数名も辞めてしまっては現場も回らなくなってしまいますので、Aと面談して、これからどうするかを話し合うことにしました。

ところが、Aと面談すると、Aは激昂して、会社を飛び出していってしまいました。


その後、Aが出社することもなかったので、無事に退職してもらったのだろうと思っていたところ、突然に不当解雇をされたので解雇は無効であるとの内容証明郵便が送られてきたのです。回答期限は1週間と設定されていましたが、どうしたらよいのかわからず、いまだに何の対応することができていません。


【会社の失敗】

会社側の対応には問題はなかったといえるでしょうか?


このように、従業員との雇用契約を解消・終了する場面では、特にトラブルが生じやすいといえます。

従業員との雇用契約の解消・終了の場面において、企業がとるべき初動等対応の5つのポイントを踏まえて説明します。


【不当解雇・退職強要を主張された場合の5つのポイント】

ポイント1:回答期限に法的拘束力はない

まず注意しなければならないことは、労働者側からいつまでに回答するよう要求されているからといっても、回答期限には法的拘束力があるわけではないということです。

したがって、労働者側が設定する回答期限までに慌てて回答する必要はありません。

ただし、通知書を無視してもよいというわけではありません。無視するのではなく、十分に回答方針を検討した上で、会社側の姿勢を示す必要があります。


ポイント2:労働契約の終了の証拠をとる

労働契約の終了の場面は、特に労使関係の対立が先鋭化しやすい場面といえます。

したがって、企業側としては、労働契約を終了する際には、後日労働者側との認識の相違が生じないようにするために、書面等を取り交わし、労働契約が終了したことを確認しておく必要があります。


上記相談事例でも、企業とAとの間で労働契約が終了したことを確認する合意書を取り交わしておけば、Aの代理人弁護士に対しても、不当解雇にあたらず、労働契約が終了していると回答することが可能となります。


ポイント3:退職強要と指摘されるような言動は控える

企業側が、従業員に対して退職を強要するような言動は、違法と評価されるおそれがあります。

例えば、企業側が複数名で従業員を取り囲み、長時間にわたって退職するよう要求し続けたり、大声で怒鳴ったり、脅かすような言動を繰り返したりすることは、違法と評価されることもありうるでしょう。

あくまでも、労働契約終了に向けた話し合いをするのであれば、双方ともに納得の上、労働契約を終了することに合意できることが必要です。


ポイント4:解雇をする場合には慎重に検討する

企業側と労働者側とで、話し合いを重ねても合意退職に至ることができない場合には、解雇も検討することになります。


もっとも、解雇とは、労働者の雇用契約を企業側が一方的に終了させる処分であり、労働者に与える影響は甚大です。


そこで、労働契約法は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」としています(労働契約法16条)。

そして、解雇が有効と判断される場合は、裁判例でも限定的にしか認められない傾向にあります。


解雇が違法とされた場合には、雇用契約が継続していたと評価されることになるため、企業側の影響も相当大きいものがあります。

したがって、解雇処分をするかどうかは、慎重に検討する必要があります。


ポイント5:懲戒解雇と普通解雇の区別

一言で「解雇」といっても、解雇処分には複数の種類に区分されます。

それぞれの解雇の類型ごとによって、要件や効果が異なります。解雇処分に付す場合には、いずれに該当するのか、またいずれの手続を選択するのかを検討する必要があります。


  1. 普通解雇:労働者側の事情による解雇(能力不足・問題行動等)
  2. 整理解雇:使用者側の事情による解雇(整理解雇の4要件)
  3. 試用期間解雇:試用期間中の解雇
  4. 懲戒解雇:懲戒処分としての解雇
  5. 雇止め:有期雇用契約の解消

【不当解雇・退職強要を主張された場合にとるべき初動対応】

1 安易に応じない・回答しない

不当解雇・退職強要を主張された場合の5つのポイントを踏まえ、不当解雇・退職強要を主張された場合には、突然のことで動揺したとしても、決して安易に要求に応じるべきではありません。

そもそも、労働者側が、どのような根拠に基づいて不当解雇や退職強要を主張しているのかを確認する必要があります。

労働者側が誤解している可能性もありますので、雇用契約を終了する場面における証拠(退職合意書等)がある場合には、その写しを提示するということも考えられます。


2 他の従業員への影響を考える

労働者側の不当解雇・退職強要の主張に対し、安易に応じてしまった場合、現に在籍している他の従業員にどのような影響が及ぶかということも考える必要があります。

特に、問題の従業員が同僚とトラブルを繰り返しているような人物の場合、仮に解雇を撤回して職場に戻すという判断をすれば、他の従業員との関係で会社の姿勢が疑われるリスクもあります。


3 解雇等が無効となった場合のリスクを考える

一方で、労働者側の主張するように、解雇無効と判断された場合には、企業側は、①バックペイ(解雇処分から現在までの未払賃金の支払い)、②慰謝料等の支払リスクを負うことになります。

労働者側の基本給が高額である場合、バックペイの総額は相当額に上る可能性も否定できません。

加えて、不当解雇ということになった場合、労働諸法に違反を企業が行ってしまったことになり、入管規制にも抵触するおそれがあります。

企業側としては、解雇の有効性を争った場合、果たして企業側の主張が裁判でも認められる可能性があるかどうかを踏まえた上で、敗訴時のリスクも考慮し、場合によっては解雇を撤回し、職場復帰の可能性もありうるのかどうかも検討しましょう。

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